一日目

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じゃ、あらためて」 「「「いただきます」」」食卓越しに向かい合う魔王と勇者。それと魔将。 食卓に上がってるのは、おでん。そう、おでん。間違いなく、おでん。おでん以外の何物でもない。おでんがステーキにでもなっていたら素晴らしかったのに。ちょっとは機嫌治るのに。ああ、 「………」雰囲気悪いですね。良かったら異常ですが。てゆーか、やっさん殺気飛ばすな。右手に魔力集めるな。 「………」しかたがないこっちも対抗。左手に召喚陣。いつでも聖剣抜けますよ。 「………止め」魔王さまから強大な魔力。まるで凍てつく波動。てゆーかそのもの。 「「すみませんでした」」謝らなきゃ誤って消される。 「ならば良いだろう、握手握手」ごめん無理。お願いだから妹の眼から放たれる止めて止めてオーラに気付いて。あ、やっさんからも放たれてる。てゆーか口調が【前回】に戻ってる。 「否………か。なら良いわぁ。とりあえず今日は潰し合うなよぉ?」あ、戻った。波動も消えた。 こういう時って毎回こう思うんだよね。【前回】なんで魔王に歯向かえたんだろうって。どう考えても僕は歯向かえるような性格じゃない。むしろ、性格的に言うなら村人その1だ。名前すらないような脇役だ。登場すらしないで死ぬような脇役にも成りきれない役だ。
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