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灰となった鬼を一瞥し、朱音は少女達を追った。
他の雑魚がまだこの辺りに潜伏しているかも知れないからだ。
「あの怠け者め…早く喰わんか」
顔をしかめて愚痴をこぼす。
リンリンと鳴る鈴の音が苛立ちを抑えてくれるのが有り難い。
でないと、少女達を先に狩ってしまいそうになる。
「ハァ…ハァ……」
「…あかね?」
追い付けば走り疲れたのか歩いていた。
「…気安く呼ぶな」
あの距離を走っただけでへばる根性無しが。
そう言いたい気持ちを抑えマキを立たせる。
「急げ、早くしないとまた来る」
「いや!」
マキが声を荒げた。
「もう嫌、何でこんな事しなきゃ行けないの!?確かに言い出したのは私だけどこんなコトになるなんて…」
止めたい。
今すぐ家に帰りたい。
「マキ…だったら早くゴールまで行こ…」
「……ゃ」
やだ。と言おうとしたとき、大地が揺れた。
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