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憎しみが溢れ、悲しみが歪む。
綺麗なものだ。
「…コイツはかなり、大物だな」
「あはっ美味そうだねぇ」
憎しみや殺意が、鬼を育てる。
まだ膨れ上がるその感情が綺麗で醜くて面白い。
力を使って守っただけある。
私達からも、友達からも裏切られて孤独の中堕ちるがいい。
「腕は返してやるよ」
ちぎれた腕を抱えて彼女の元へ行く。
ああ、そろそろ終わりかな?
「黒鬼、早く喰え」
待ってましたと言わんばかりに口を笑みの形に変え、彼女の胸に手を突っ込む。
ドロリとした濃い灰色の玉をぱくりと口に放り込む。
「ああ、うまい」
満足に笑うコイツは、いつになったら進化するのだろう。
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