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「晴輝、簡単には逃がさないよ!」
先に追い付いた晴夏がいう。
「はいはい。」
晴輝は子供を宥めるように言ってすたすたと言ってしまった。
「ホント心が読めない弟。
ホントにあたしの弟なのかな」
ため息をついた晴夏はわしゃわしゃと頭をなでる。
晴輝は不機嫌そうに手を払った。
「俺だっておもうよ、
なんでこんなバカが姉なのか。
俺は頭いいのにな。
あの母親からこんな仔がうまれんの当たり前だとおもわないわけ?」
やはり無表情な晴輝の顔をじっとみた後、そだね、と納得の表情をみせた。
「晴夏、晴輝。早すぎ。」
晴陽が「やっと追い付いた」と言って二人にニコッと笑い掛けた。
「晴陽姉が遅いだけだよ。
俺は普通の早さだし。」
「やぁな弟。」
晴陽は頬を膨らませた。
「よぉ、相変わらず仲いいな。」
背後から声がした。この声は……
「「悠璃!」」
晴陽と晴夏は同時に振り返る。
「仲良しこよし。俺は抜いてね。どうでもいいけど晴陽姉、晴夏姉、悠璃兄、遅刻するよ。」
晴輝は三人を軽く見上げると、早足で小等部へ行ってしまった。
「まぁ俺と会った時点で遅刻決定だな」
ニカッと笑む悠璃を恨めしそうに見上げる双子。
晴夏は悠璃を軽く殴った。
「校長買収したから大丈夫だよ♪♪」
晴陽はニコッとほほえみながらも相当黒いことを言っている。
「じゃあ一限目サボろう。
カッタルい」
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