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夕食を終え部屋に戻ろうとするとメイドに呼び止められた
「紅葉様、昴様がお部屋でお待ちです」
紅葉はビクリと震えた
「お祖父様が…」
絶対バレた
紅葉は呉羽に部屋に戻っておくよう伝えると昴の部屋に向かった
昴の部屋の扉をノックすると入れと声がして失礼しますといい紅葉は入室した
昴は大きなソファに腰掛け紅葉を呼んだ
「何ですか…お祖父様…」
「…お前…勝手に私の研究室を使ったな?」
紅葉はビクリと震えた
怒られると思った
しかし昴は立ち上がり紅葉に近付くと目線を紅葉に合わせて少し屈んだ
「紅葉…私が研究室で翼を産み出した話はしたな?」
昴の問掛けに紅葉は頷く
「…私は…自分の好奇心だけで…翼を作った…」
昴は目を伏せた
「人工生命体は我々よりも遥かに寿命が短い…それはまだ人間の技術が必要な所まで達していないからだ…好奇心だけで命を作るのはどういう事かわかるか?」
紅葉は黙りこんだ
昴が人工生命体を作ることにこんな考えを持っていたなんて知らなかった
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