第三章 彩りを添え

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   漆 黒  ━━━━ 『崇高なる貴女を我が胸に』  大きく広げた俺の巣に  今日も獲物が堕ちて来た    今宵の獲物は極上で  こんなん喰ったら消化不良だ    獲物は震える瞳で俺を見る    仕方がないからその瞳に  俺は小さく口づけをした  心配すんなと囁きながら    獲物は大きく痙攣し  俺の体に身を委ね  ゆっくり羽を閉じていく  怖いのですと呟きながら    仕方がないからその羽を  俺は優しく脱がしてやった      その身のなんと清きことか      嗚呼      宵は漆黒  その身は純白  崇高なる貴女を我が胸に  月明かりがきらきらと  俺の巣を照らした .image=102395320.jpg
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