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椛は家に着くと
『無事、家に着きました。
椛より』
雅人にメールを打ち部屋に入ると机に向かった。
椛:雅人…ごめんなさい。
便箋を取り出すと
『雅人へ
短い間だったけど…
ありがとう
私、幸せだったよ。
そして…
ごめんなさい。
私はずっと雅人のそばで笑っています。
椛より』
と書き終えると、薬を何錠か飲みカッターを取り刃を左手首にあてる。
ヒンヤリした感覚が一瞬現実へと引き戻すが、力を込めてカッターを手前に引っ張った。
手首から流れ出る血を涙を流しながら黙って見ていた。
痛みはある。
流れ出る赤の温もりだって感じる。
だけどー
思い切ってもう一度近くで刃を引き、だんだんと途切れ行く意識のそこには雅人の顔。
椛:ごめんなさい…
だんだんと目眩にも似た感覚が強くなり、その場に倒れ込みそのまま気を失い、目覚める事はなかった。
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