雅人と椛

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桜木雅人(サクラギマサト)と高梨椛(タカナシモミジ)は中学校の同級生。 雅人はクラスの人気者。 部活ではバレー部のエースアタッカー。 椛は読書好きの地味な普通の女の子。 椛は1度だけ雅人に助けられたことがあった。 些細な事だった。 その日、椛はいつも通り自席で本を読んでいた。そこにクラスの男子生徒が椛の机の前に立ち、 男子:お前ってさぁ、暗いよな。 ケラケラ笑い椛の読んでいた本を取り上げ、馬鹿にしたように椛の顔を見下ろした。 椛:本を返して… 椛は小声で呟いた。 男子:はぁ!?聞こえねぇ!? 男子生徒はふざけて椛をからかった。 雅人:おい!!辞めろよ。 見かねて雅人が男子生徒から椛の本を取り上げ、男子生徒の頭を軽くコツいた。 雅人:高梨さんは誰にも迷惑かけてないんだからいいだろ。 と言いながら椛に本を返して 雅人:高梨さん、ごめんな。 コイツ、悪いヤツじゃないから許してやってくれよ。 椛を見てそう言うと男子生徒の腕を掴み、椛の前からいなくなった。 そして、卒業式を機に2人は別々の高校に進学し、離れ離れになった。 椛はあの時のお礼を言えないままに…
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