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椛編
雅人が退院して約束通りに会う事になって…
雅人はいろんな所に椛を連れ出してくれた。
椛が望めば退屈な博物館にすら連れて行ってくれた。
椛は雅人に感謝した。
でも忘れてはいない辛い日々がまた来る事を…
楽しい毎日。
いつもと同じように雅人と遊びに行き、帰宅したその夜…
椛は今まで感じた事のない感情の高ぶりに戸惑ってしまった。
椛:何?
この寂しさは…?
桜木君…雅人…雅…人…
もしかして…
これが…恋…?
私が雅人を…好き?
頬を赤らめて雅人の名前を何度も呟いていた。
少し幸せな気持ちになりかけていたがフッと左手首の傷痕が目に飛び込んで来た。
椛:…ダメかも…
この傷の事…
話さなきゃ…
でも嫌われたくない…
話せば嫌われるかも…
でも…
椛は意を決して携帯を取り、雅人にメールを送った。
『明日、大切なお話しがあります。
朝9時30分、駅前で待ってます。椛より』
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