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「僕の住んでいる世界……魔界に、ある男が非常に強力な呪いを散布した。それがすべての始まりだ……」
男の語り始めた話は、現実主義者なユイにはとても信じられない話だった。
散布された呪い。
それに感染した者、あるいは感染者に触れる者は石と化してしまうのだという。
世界の大半が石となった、そんな時。
ある女性がその呪いに感染した。
彼女は自身の魔力により、身体に入った呪いの進行を限界まで遅れさせ、その間に男は呪いについて調べた。
すると、今の時代よりおよそ100年前……その呪いと全く同じ能力を持つ生物がいた事を突き止める。
呪いを散布した男が時空転移という能力を有していた事から、男は呪いが100年前の世界にいた生物の協力のもと生成されたものと判断した。
男は時空を渡るため、古い伝承にあった『時空の歪み』というものを探した。
そして、あの屋敷でそれを見つけた。
(何故そんなもんがあの屋敷に? というユイからの質問に、そんな事僕が知るわけないだろうという親切な回答をいただいた)
男は急いで時空の歪みを100年前の魔界へと繋げようとした。
だが、そこで彼女は力尽き……あの美しい像へと変わってしまう。
一刻も早く彼女を救おう、その一心でようやく男は歪みをこの世界へと繋げた。
――ちょうどその時。
探検にやって来た和葉とスミレが現れ、そしてユイが現れた。
「……何かの役には立つのではないかと思い、気絶していなかった貴様を連れてきたのだ」
「…………」
そして現在に至る。
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