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あれから私はすぐ退院が決まった
奏からはやっぱり連絡はない
また
猫でも構いながら
ねっころがって
空を見ながら
あそこにあるはずだと指先を見つめ
優しい嘘をついてるだろう
“奏”
私が学校に少しずつ通える様になって
あの日から半年くらいになる
もうすぐ秋が来る
病院から電話
『薬まだあるよ?』
なんて愚痴りながら私は電話口に出た
『二ノ宮です
奏の母です
奏は先程逝きました
最期まで貴方の話をしてたの
意識なくなっても…
和都…和都…って
生前はありがとうございました』
震えた声…
なに…言ってるの?
信じない
信じないから
なんで涙が流れるの…
『 奏 』
温かい…
ここに…いるんだね…
後日私達の居た病院で
奏が隠し持って居た私の写真と私が貸したハンカチと奏の血を拭いたタオル…が届けられて居た
(きっと写真みつかって照れてるかな)
私は昼に星がうっすら見えるこの日に…
晴天の日に
それと今の私の写真を燃やした
奏へのラブレターとして
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