22人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
とある標高10000mの街「ラウア」
毎朝そこには街中に美しい唄声が響く。
「天の声が響く時 雨が泪に変わる 嘆く者達に光あれ 届かぬ光も嘆くだろう 光が射すのは唯一人 世界は平等ではないから」
娘は、ラウアでも最も高い羨望台「バベル」で毎朝唄う。
娘はその唄以外何も喋らない、とても美しい顔立ちをしているがいつも焦点の合っていない表情をしている。
それが美しさをまた際立てている。
幾人もの男がいいよったが反応を示した事がない。
一度無理に襲いかかった男達がいたが、とうとう彼等は帰って来なかった。
死体も血痕も残さず消えてしまったのだ…。
それ以来娘には誰も話しかけないし手も出さない。
街の人間はこう言う、
「あの娘は忘却の人間だ」
娘は表情も変えず唄う。![image=128232132.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/128232132.jpg?width=800&format=jpg)
![image=128232132.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/128232132.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!