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「はぁ…。ルシド、ヴァルファー、これより降下部隊と合流する。」
議論の余地はないと区切りをつけたのか、ルシドはため息ひとつ、ついてぶっきらぼうに答える。
座席の前にある中央機器の一つ、レーダー機器。
そこに表示されているマップにだいたいの目標ポイントをトレースして右足のアクセルペダルを踏み込んだ。
「な、なによ!ため息なんかついて!…聞いてるの!ルシド!」
漆黒の機体が、同色である宇宙に溶け込む。
その機体のコクピットでマリアンの声が響き渡るがルシドの耳には届かず。
背部の4基のスラスターに熱をいれて、装甲のスリット部分から微かに輝くワインレッドの光を撒き散らせながら宇宙に一筋の閃光を走らせる。
その機体が通った後は、数十、数百と大量のユニオン軍の機体がゴミクズのように残骸として、漂流していた。
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