強さ

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「…どうしたん?」 涼の不安そうな声が陸の耳を包む。 「涼、やっぱり、千紗に智くんを…!」 「アカン。」 逢わせてやりたい。 もうあたしは傍観者じゃない。 第三者でもない。 嫌でも関わってしまったのだから。 それを、涼は知っているはずなのに、何故? 背筋が、ひゅっと吹きかけられたように冷たくなった。 「もう智也は俺らの言うことなんて聞かん。一人で逝く気や、千紗にも自分にも後悔したないんや。」 「どうして!?あたしと同じ意見だったんじゃないの?」 声を荒げた。 はぁはぁ、という不規則な息遣いだけが廊下に響く。 薄暗い照明に罪悪感を駆り出されているみたいで、 怖かった。
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