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「俺が、智也で。千紗が陸だとしたら。」
「え?」
ぽつり、と涼が言葉を漏らす。
その言葉が震えていて、陸はぎゅっと携帯を握り締めた。
「泣く陸を想像したら耐えられへん。それならいっそ、俺と一緒に逝かせたる…そう思う。」
―智也は千紗を『殺す』と言った。
自分が智也だったら…間違い無くそう言ってただろう。
護れないなら
俺でしか生きれないようにして―…
それは、智也の切なる願い。
―やから、もう干渉せえへん。
陸が理解してくれるとは思わないけど…。
そう、涼は苦笑した。
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