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「…もう、ワケ分かんないよ…。」
陸のすすり泣く声が電話越しに響く。
ー俺だって、着いていけへんわ、2人の言うことやる事に。
ーそれでもこうやって庇おうとするのは、「仲間」やから。
「陸、泣かんで。今大学なんやろ?文化祭の準備て…千紗も居るんやから。」
「っ…あんな、毎日毎日ボロボロになってく千紗に、あたしが耐えられなくなるのよ。」
いつか、気が付いたら千紗まで居なくなりそう。
恐れていたんだ、今度は、今度の番は、自分が待ってなければいけないんじゃないかって。
自分もいつか、かつての仲間を孤独で待っていなければいけないのかもしれない。
そう思うと、あたしはとてつもなく卑怯だ。
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