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「ねぇ、」
隣から声がした。
きょとん、とした表情で千紗は横を見るが、その女の子はどうやら陸に話し掛けたらしい。
ー何だ、トモダチ、なんだ?
昨日の事もあってか、意味の無い意地を張ってこちらからは話し掛けないつもりで、千紗は2人から視線を逸らした。
しかしその子は、先程の呼びかけより幾分大きい声で、
「智也くんが白血病って本当なのぉ?」と、陸に問うた。
ー…え?
驚いた表情で千紗は2人を見る。すると陸と目が合い、陸は表情を歪めた。
しかしそれは一瞬で、陸はいつもの無表情に近い表情へと変えた。
「え、マジで…?智也が…?」
「嘘だろ?」
この大学は出身高校が同じ人が多く、智也の回りで良く笑ってた男の子達や、戸惑い過ぎて何も言えない女の子がこちらに注目した。
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