いつか当たる壁

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 恐ろしく鈍い音と手応えが、男の頭を激しくぶらす。  一撃必殺の膝を鼻っ柱に喰らい、鼻血を吹きながらもんどりうって倒れた男に二の瞥はくれなかった。  すぐに右に向き直り、前進しながら状況の把握を行う。  好都合だ。  視界から得たコンマ数秒の情報から、瞬時にそう判断する。  向こうからしても予想外だったのだろう。  マスター資格者の特権とも言える武器を手にしている事で、敵は迂濶に、シェリスに手を出してはこない。
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