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友情『SカノMカレ番外』
俺と知紘は俗に言う腐れ縁ってやつで、小学校から高校まで同じ学校に通っている。
コイツがとんだくせ者で、何度中居を不敏に思ったことか。
例えば――
「栞ちゃん食べないの?」
「えっ!?……あ、う、うん、じゃあ一つ貰おうかな?」
「え~、一つと言わずいっぱい食べてよぉ!栞ちゃんに食べて欲しくていっぱい持ってきたのに」
「う、うん。ありがとう」
中居は知紘に勧められ、期間限定の苺製品のお菓子をこれでもかって程食べさせられていた。
昨日、二人の会話が聞こえてきたのだが、中居は今日からダイエットするって張り切っていたのに……。
しかも知紘、おまえは中居が間食しないように監視するって言ってたよな?
そして、こんなこともあった。
それは中間テストの時だった。
「あ~!やっと古典のテストが終わったぁ!次のテストなんだっけ?」
「次は……英語かな」
俺の問いかけに中居が答えた。
すると、中居の前に座っていた知紘がいきなりこっちに振り返り――
「違うよぉ!!次は世界史だよ!!」
「えっ?……そうだっけ?」
「そうだよぉ?もう~栞ちゃんったらおマヌケさんなんだから」
おマヌケさん――
知紘、おまえは中居にそう言ったよな?
だけど本当にマヌケなのはおまえだ!!
3人で必死に世界史の勉強をした後、テスト開始と同時に答案用紙を見た中居と俺は、咄嗟に顔を見合わせた。
「……!!」
「……!!」
俺たちの目に映ったのは、『英語』という文字だった。
もちろん知紘は、テスト終了のチャイムと同時に俺からお叱りを受けたことは言うまでもない。
こんな感じで、俺たち3人は16才という時を過ごしている。
一緒に笑い、悩み、泣いて――
時がたてば忘れるかもしれない、小さな想い出だけど、俺は知紘と中居と友達になれてよかったと思ってるよ。
おまえらは
最高の友達だ!!
❤End
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