序章 始まりの出会い

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――つまらぬ 眠りから覚めると当たり前のようにそんな言葉がでた。 もう幾度この言葉を呟いただろうか? この世に生を受けて幾星霜。 生まれたばかりの頃、それは楽しく世界を駆けずり回っていたが、長すぎる『生』はそれすらも飽きさせてしまった。 ここは『中国』と呼ばれている国にある、いくつもの霊山が並ぶ地。 この場所は神気がたちこめていて、居心地がいい。 だから――いつからだったかはもう思いだせないが――特に居心地のよかった霊山に結界をはり、その山の最も奥の洞窟で、多くの時を過ごすようになった。
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