序章 始まりの出会い

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信じ難いことに、この者が放つ呪力の量は自分の宿す霊力よりも、更に上をいっているのだ。 数多く存在する精霊の中でも高い呪力を持つ自分よりだ。 そして、それがもうすぐ側まで来ているのも分かった。もう洞窟の入口の当たりまで来ているのだろう。 ――ならばその姿、見せてもらおう 足音が洞窟に反響している。 ゆっくりとした、それでいて迷いの無い足音が。 精霊である自分と対峙するというのに。 足音が止む。 目の前にはやはり、一人の人間が立っていた。 いたのだが……。
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