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アパートに着きチャイムを鳴らす…   『ピンポーン』     良一はすぐに玄関まで出てきて私の姿を見るなり私を抱きしめた…   『良一…痛いよっ…』   私は良一の抱きしめる力の強さにそう言った。     『麻美がなかなか帰ってこないから僕とってもさみしかったんだ…』     以前の私ならそんな良一が愛しくてしょうがなかったが、今日は違った…   厚くんに出会ってしまったから、人形の良一が疎ましく思えてしまったのだ…     そんな私の微妙な変化に良一は気付いたようで、 『麻美、どうかしたの?』と聞いてきた。   私は 『ううん、なんでもないよ。寂しがらせてごめんね。』 と言ってその場はごまかした。     それから私は良一には内緒で度々厚くんと逢うようになった。 逢えば逢うほど厚くんの魅力に惹かれていく自分がいた。   良一が邪魔だと思うようになってしまっていたのだ…。
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