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厚くんはすっかりおもしろがってその箱を私の部屋の中に運び、中をみようと開け始めた。     やっぱり… 中には人形の良一が入っていた。     『なんだこれ?おもしろそうじゃん。』   厚くんはすっかり人形に興味津々で私がいらないと言うと自分の家に持って帰ると言い出した。     厚くんと夕食を一緒に食べている間もソファーに置かれた良一が動きだすのではないかと私は気になった。   基盤を抜かれていたため良一が動くことはなかったが私は怖かった…     『持って帰っていろいろいじってみるよ』   厚くんはニコニコして良一を抱え帰って行った…     厚くんが帰ってから箱の中を見てみると一枚の紙が入っていた。     『上野 麻美様 当社の製品は以前も申しました通り、返品はできません。 最後までごゆっくりお楽しみください…』     紙にはそう書かれていた。  ということは捨てても捨てても私のところに必ずあの人形は戻ってくる…   私は良一から逃げられない現実にどうしたらよいのかわからなく頭を抱えてしまった…     その時! 私の携帯が鳴った… 相手は厚くんだった。
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