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『あっ、麻美ちゃん?この人形基盤を入れたら本物の人間みたいに喋ったり動いたりするんだよ。』     厚くんは楽しそうにそう話し始めた。     『そ、そうなんだ…』   私は何故か嫌な胸騒ぎがした…     『でね、この人形名前が良一っていうらしいんだよ。』     『へ、へぇ…』     『部屋の片付けしてくれるし、酒飲もうとしたら今つまみ作ってくれるって台所にいるんだよ。』     台所?         『厚くん!逃げて!』   私は必死で叫んでいた。         『急に何言ってるんだよ。逃げるって?』       厚くんの話す声はそこで止まった…     良一の高らかに笑う声と厚くんの身体を包丁で何度も刺す音… 厚くんの断末魔の叫び声が聞こえたかと思うと辺りはしーんと静まりかえっていた。     『これで邪魔な奴はいなくなったね………。』   良一はそう言って電話を切った………
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