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雅人は何も言わない。
私は憶測を続けた。
「普通のパソコンならばウィルスバスターが入っていればウィルスの侵入を阻止出来るはずです。つまり相当強力なウィルスだったということです。」
「でもちょっと待って。」
隣りにいた東和が話しを止めた。
「パソコンのウィルスと事件とは、どこに関連が?」
「…それは、」
「サブリミナル効果。」
私が言うより先に、雅人が口を開いた。
「無意識の内に映像、または音声を受け取っていた。パソコンを媒介して。だろ?」
自分が言いたいことをすんなりと言われてしまった。
この人…
「まぁ合格かな。」
雅人はだるそうに前髪をかきあげる。
「兄ちゃん、至急被害者の部屋か家にパソコンがあるか調べて。」
「わかった。」
そう言うと東和は即座に携帯を取り出し、部下に色々指示をし始めた。
「あんたはこっち。」
雅人は立ち上がると、隣の部屋を指差した。
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