感染ー1ー

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雅人は何も言わない。 私は憶測を続けた。 「普通のパソコンならばウィルスバスターが入っていればウィルスの侵入を阻止出来るはずです。つまり相当強力なウィルスだったということです。」 「でもちょっと待って。」 隣りにいた東和が話しを止めた。 「パソコンのウィルスと事件とは、どこに関連が?」 「…それは、」 「サブリミナル効果。」 私が言うより先に、雅人が口を開いた。 「無意識の内に映像、または音声を受け取っていた。パソコンを媒介して。だろ?」 自分が言いたいことをすんなりと言われてしまった。 この人… 「まぁ合格かな。」 雅人はだるそうに前髪をかきあげる。 「兄ちゃん、至急被害者の部屋か家にパソコンがあるか調べて。」 「わかった。」 そう言うと東和は即座に携帯を取り出し、部下に色々指示をし始めた。 「あんたはこっち。」 雅人は立ち上がると、隣の部屋を指差した。
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