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「二人共、パソコンについての情報が入ったぞ!」
勢いよく東和が入って来たので、とりあえず目線だけ向けた。
「二人してすごい顔してるな。大丈夫か?」
私はその問いには頷くことが出来なかった。
「被害者全員の部屋にパソコンがあった。しかもその内の5割りが原因不明の故障中。」
「被害者って今どれくらい?」
テーブルにひじをつきながら雅人は煙草に火をつける。
「15件だ。あくまで類似した事件の件数だけど。」
こんな異様な事件が他にあるわけないと思うけど…。
「奈々ちゃん、もう7時になるし送っていくよ。」
気が付いたら既に3時間も経っていた。
「有難うございます。」
私はわたわたとコートや鞄を手に持ち、雅人の方を見た。
「あの…これからもよろしくお願いします。」
そしてぺこりと頭を下げた。
「ん。」
短い返事が聞こえたのを確認して、私は顔を上げた。
「じゃ、行きましょう。」
私は、賭に勝てるかもしれない。
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