674人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの、」
車が走り出してすぐ、私は口を開いた。
「警察って、関係者以外に情報提供したりするのは禁じられていましたよね?」
よくサスペンスドラマでそんな台詞を聞いていた。
東和はええ、まぁと言うと苦笑いを浮かべた。
「でも君の情報提供がなかったら捜査は行き詰まっていたと思う。ギブアンドテイクですよ。」
東和は笑った。
私は心の奥で彼に迷惑をかけないように行動しようと誓った。
街はクリスマスが終わり、すっかり静かになっていた。
もうすぐ今年も終わる。
車の窓越しに外を見ると、貸衣装屋さんが見えた。
ショーウインドーには豪華なウェディングドレスが飾ってある。
由香も、着るはずだったのに。
真っ白な、ウェディングドレス。
頭に由香の笑った顔が浮かんで、涙が一筋流れた。
12月26日。午後11時。
新な被害者が見つかった。
最初のコメントを投稿しよう!