感染ー1ー

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「すまないね、遅くなってしまって。」 冷たい風が吹き荒ぶ校門の前で待っていると、昨日と同じく黒い服装の刑事が現れた。 「寒いでしょう?早く乗って。」 私は促されるまま車に乗り込む。 口元まで上げていたマフラーをあごの下に下げた。 「まさかこんな早く連絡が来るとは思っていなかったよ。」 「東和さん…でしたよね?」 「はい。なんですか?」 「警察専属のプログラマーっていますか?」 「…。いますよ。相当凄腕なのが。ただ…。」 男は急に口ごもった。 「ただ?」 私は即座に聞き返す。 「ちょっと性格に問題があってね…。必ず引き受けてくれるとは限らないんだよ。」 なんて怠慢な…。 でもその人に賭けるしかない。 「とりあえずその人の所に行って貰えますか?由香の部屋のパソコンを持って。あと由香の携帯も。」 私がそう言うと男は不思議そうな顔でこっちを見た。
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