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「すまないね、遅くなってしまって。」
冷たい風が吹き荒ぶ校門の前で待っていると、昨日と同じく黒い服装の刑事が現れた。
「寒いでしょう?早く乗って。」
私は促されるまま車に乗り込む。
口元まで上げていたマフラーをあごの下に下げた。
「まさかこんな早く連絡が来るとは思っていなかったよ。」
「東和さん…でしたよね?」
「はい。なんですか?」
「警察専属のプログラマーっていますか?」
「…。いますよ。相当凄腕なのが。ただ…。」
男は急に口ごもった。
「ただ?」
私は即座に聞き返す。
「ちょっと性格に問題があってね…。必ず引き受けてくれるとは限らないんだよ。」
なんて怠慢な…。
でもその人に賭けるしかない。
「とりあえずその人の所に行って貰えますか?由香の部屋のパソコンを持って。あと由香の携帯も。」
私がそう言うと男は不思議そうな顔でこっちを見た。
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