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「…ここ…ですか?」
着いたのは、
思わず見上げてしまうような超高層マンション。
「とりあえずさっき連絡しておいたから。行こう。」
東和は由香の家から持ってきたノート型のパソコンを片手にずんずんと進んで行く。
こんな所にいるプログラマーって一体…。
「ここだよ。準備はいいですか?」
部屋の前に着くと、東和は私の方を見た。
私はこくりと頷く。
東和はコートからカードキーを取り出した。
「…え、」
私のことなど気にせず、東和はなんの躊躇もなく、カードキーを差し込んだ。
「はい、どうぞ。」
ドアが開き、中に通された。
恐る恐る足を踏み入れると、部屋の中は薄暗かった。
「まったく相変わらずだなぁ…。雅人、明るくしろ。」
東和がそう言った途端、
「!?」
消えていた照明が一斉に付いた。
「急に来るとか言っといて、文句言うなよ。」
奥から出て来たのは、
不健康そうな青年だった。
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