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追跡者
とある一室
壁も天井も床も全てが真っ白で覆い尽くされドアの無い一室
さらに言えば、ドアや窓すらない密室に男が二人いた
『やはり彼等だけでは不満か?』
一人は天井に逆さになって立っており
『それはそうだろう。出来損ないで補う方がどうかしている』
もう一人は壁に立っている。
部屋自体が正方形でドコが床か分からないのだが、奇妙な光景には違いない。
『だが、君の部下達よりは役に立っているようだが?』
『ぐぬっ、所詮あれは使い捨てのもの。大事な時に使いものになればいいがな』
『ならば…』
パチンッ
『グッ、グルルル、ガァアァァオー』
『フンッ、俺に合わしたフリをするな。初めからこうするつもりだったのだろう』
『おやおや、そういうつもりではなかったのだが』
『だが、まぁいい。少なくとも、あの都市が面白くなる事に違いはない』
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