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森の中を飛ぶ、二匹の妖精。
飛ぶ速度は、ゆっくりではなく、速い。
顔には焦りの色がある。
時折、背後を気にしているところを見ると、どうやら何者かに追われているらしい。
と、白い羽の妖精が、何かの気配を察知した。
「マオ!危ねえ!」
そう言って、彼は黒い羽の妖精を突き飛ばす。
すると次の瞬間、飛んできたボール状の檻が、白い羽の妖精を捕えた。
檻は獲物を捕えると、その場にフワフワと浮き留まっている。
「ジュドー!」
黒い羽の妖精――マオはハッとし、彼の名を呼ぶ。
「ボクに構うな!逃げろ!」
「でもっ……!ジュドーをおいてくなんて僕……嫌です……!」
マオは嫌々をしながら、白い羽の妖精――ジュドーに言った。
と、その隙に飛んできたもう一つ檻が、マオを捕えた。
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