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「―い…―ぱい…―けい…ぱい…
啓先輩」
俺はゆっくりと目を開けた。
するとそこには、俺の顔を覗き込んでいる伊鈴が居た。
「伊鈴…」
「大丈夫ですか?」
「…あ?俺…」
「先輩、急に倒れちゃったからあたしが運んだんですよ」
額には、少し温いタオルが置かれている感触があった。
さっきのは…夢、か…
「…怖い夢でも見てたんですか?」
「は…?」
「泣いてる」
俺の目元を指差す伊鈴。
ゆっくり手を目元に持っていくと、確かに濡れていた。
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