片想い

10/14
前へ
/101ページ
次へ
「―い…―ぱい…―けい…ぱい… 啓先輩」 俺はゆっくりと目を開けた。 するとそこには、俺の顔を覗き込んでいる伊鈴が居た。 「伊鈴…」 「大丈夫ですか?」 「…あ?俺…」 「先輩、急に倒れちゃったからあたしが運んだんですよ」 額には、少し温いタオルが置かれている感触があった。 さっきのは…夢、か… 「…怖い夢でも見てたんですか?」 「は…?」 「泣いてる」 俺の目元を指差す伊鈴。 ゆっくり手を目元に持っていくと、確かに濡れていた。  
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3328人が本棚に入れています
本棚に追加