片想い

11/14
前へ
/101ページ
次へ
「先輩ご飯食べました?」 「…食ってねェ…」 「薬は?」 「…呑んでねェ」 はぁ、やっぱり…とため息を吐く伊鈴は、隣に置いてあった袋をガサガサとあさって薬の箱を取り出した。 「今から何か作るんで、食べたらコレ呑んで下さい」 立ち上がって台所に行く伊鈴の後ろ姿が、さっきの夢と被って見えた。 なんで… なんでお前はそうやって、優しくすんだよ… 俺が風邪ひこうが何しようが、ほっとけばいいじゃねェか… 俺の気持ち知っててそんな事するなんて、ずりィよ… なぁ 人を好きになるって、幸せになる事じゃねェのかよ 楽しいモンなんじゃねェのかよ 全然幸せじゃねェし楽しくもねェ 苦しいだけじゃねェか… 胸が痛ェだけじゃねェか… 俺はこんな痛み知らねェよ…  
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3328人が本棚に入れています
本棚に追加