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「先輩ご飯食べました?」
「…食ってねェ…」
「薬は?」
「…呑んでねェ」
はぁ、やっぱり…とため息を吐く伊鈴は、隣に置いてあった袋をガサガサとあさって薬の箱を取り出した。
「今から何か作るんで、食べたらコレ呑んで下さい」
立ち上がって台所に行く伊鈴の後ろ姿が、さっきの夢と被って見えた。
なんで…
なんでお前はそうやって、優しくすんだよ…
俺が風邪ひこうが何しようが、ほっとけばいいじゃねェか…
俺の気持ち知っててそんな事するなんて、ずりィよ…
なぁ
人を好きになるって、幸せになる事じゃねェのかよ
楽しいモンなんじゃねェのかよ
全然幸せじゃねェし楽しくもねェ
苦しいだけじゃねェか…
胸が痛ェだけじゃねェか…
俺はこんな痛み知らねェよ…
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