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「食欲ありますか?」
「……ねェ」
「そんな事だろうと思って、すりリンゴにしました。これなら食べやすいですから」
伊鈴は俺に器を差し出した。
俺はダルい体を起こし、その器を受け取った。
「…悪ィな…」
「そう思うならさっさと治して下さい」
緩く微笑む伊鈴。
俺はそれを見て、ただ悲しく笑うことしか出来なかった。
何で俺じゃねェんだろうな。
どうやったら、この想いを消すことが出来る?
今まで俺の事を好きだって言ってた女共は、こんな気持ちだったのか?
なら、その気持ちを消すにはどうしたらいいんだよ…
伊鈴が星斗を好きだってのは分かってる。
星斗なら、伊鈴を幸せに出来るって事も分かってる。分かってんだよ…。
それでも
それでも伊鈴が離れていくのは嫌なんだよ…
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