片想い

12/14
前へ
/101ページ
次へ
「食欲ありますか?」 「……ねェ」 「そんな事だろうと思って、すりリンゴにしました。これなら食べやすいですから」 伊鈴は俺に器を差し出した。 俺はダルい体を起こし、その器を受け取った。 「…悪ィな…」 「そう思うならさっさと治して下さい」 緩く微笑む伊鈴。 俺はそれを見て、ただ悲しく笑うことしか出来なかった。 何で俺じゃねェんだろうな。 どうやったら、この想いを消すことが出来る? 今まで俺の事を好きだって言ってた女共は、こんな気持ちだったのか? なら、その気持ちを消すにはどうしたらいいんだよ… 伊鈴が星斗を好きだってのは分かってる。 星斗なら、伊鈴を幸せに出来るって事も分かってる。分かってんだよ…。 それでも それでも伊鈴が離れていくのは嫌なんだよ…  
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3328人が本棚に入れています
本棚に追加