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『……伊鈴……』
『……はい』
『…好きだ』
『…あたしもです』
綺麗に微笑む伊鈴。
俺は笑顔で伊鈴に手を伸ばした。
『…けど、あたしは星斗先輩が好 きなんです』
『……え……』
『啓先輩は、“先輩”として好き です』
『……俺は……』
『星斗先輩は、愛してるんです』
そう言って、伊鈴はくるりと後ろを向いた。
後ろには、幸せそうな顔をしている星斗が。
伊鈴はどこか楽しそうに、星斗の方へと走って行く
伊鈴は、俺からどんどん離れていく
そして二人は手を繋ぎ、微笑みあって消えていった―…
『いすず…』
俺が伸ばした手は、ゆっくりと落ちていった
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