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中庭まで戻った三人。中庭には二組のみんながザワザワしていた。
香織「みんなどうしたの?」
二組生徒「あ!香織!佐東さんと一緒じゃなかったの?」
佐東さんは香織のクラス(二組)の生徒だ。
香織「一緒じゃないけど?」
二組生徒「露天風呂から戻って来ないみたいなの…」
このザワザワとした空気に呼ばれて麻紀先生が走って来た。
二組生徒「先生ー!お風呂から佐東さんが戻って来ませーん!」
麻紀「みんな落ち着いて!!もう外は暗くなるから部屋に戻りなさい!先生が確認してくるからそれまで部屋から出ちゃダメよ!」
クラスのザワザワはおさまらない。
麻紀「戻りなさい!」
二度目の大きな声で香織と二組生徒は部屋に戻っていった。
麻紀「桜子さん達は一組にも連絡伝えてくれるわね?」
桜子・ 鶇「……」
麻紀「?」
桜子「私達も行かせて下さい」
鶇「桜子!?」
桜子「お願いします」
桜子は怖かった。最後の頼りがいなくなる事が。
見知らぬ女将に頼る事が嫌だったのだ。
鶇はそれを読み取るかのように
鶇「先生お願いします!」
二人で頭を下げた。
麻紀「…しょうがないわね」
麻紀先生と桜子と鶇は夕暮れの中、森の中へと姿を消していった。
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