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夕暮れの森の中、木達は桜子達を笑うかのようにザワザワと音をたてる。
鶇「暗くなってきたね…」
桜子「うん…」
麻紀「露天風呂が見えてきたわよ」
湯気が白く霧のようになっていた。辺りは暗くなっていてよくわからなかった。
麻紀「誰もいないわね」
桜子達は安心して怨念寺へと引き返した。
鶇「佐東さんいなかったね」
麻紀「もしかしたら部屋に戻ってるかもよ?」
[ソウダトイイナ]
桜子「何あれ?」
桜子が指差すのは道に落ちてた制服のリボン。
制服のリボンに文字が書いてあった。
鶇「サ…トウ?…佐東!?」
桜子「佐東さんの!?」
麻紀「キャ!!」
桜子・鶇「先生!?」
麻紀「ゴメンなさい何でもないわ。足をくじいただけよ…」
桜子・鶇「……」
麻紀「戻りましょう」
怨念寺に無事に戻った三人。
佐東さんの部屋を尋ねる事にした。
佐東さんの部屋は『山の館』の廊下の一番奥の部屋だった。しかし、部屋には誰もいない。
香織「桜子!三人共無事でよかった!!」
香織が息を切らしてこちらへ向かって来た。
麻紀「香織さん無事でよかったって?」
香織「…」
鶇「香織?」
香織「…佐東さんと一緒の部屋だった二人も…いなくなったんです…」
桜子鶇麻紀「……」
三人共返せる言葉が見つからなかった。
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