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大広間に戻った桜子と鶫と香織。
部屋で寝てる麻紀先生が気になる三人は食欲を失い、ただ御前の夕飯を見つめているだけでいた。
それを見た生徒はもちろん放ってはおかない。
桜子達の隣の部屋の子が話しかけてきた。
生徒「どうしたの?麻紀先生と何かあった?」
桜子「…別に…」
生徒がまた行方不明になった事を麻紀先生に口止めされていた。
桜子達も言えやしなかった。
もしみんなが知ったら個人行動をとり始め、麻紀先生に負担が掛かるからだ。
田中先生が帰った今、桜子達には麻紀先生にしか頼る他ないのである。
生徒「…あたし見たんだよね」
桜子「見たって何を?」
生徒「佐東さんがいなくなる前、お風呂から帰った時に麻紀先生が佐東さんの部屋から出て来たところを見たの!」
鶫「何が言いたいの。麻紀先生が佐東さんを連れ去ったとでもいいたいわけ?」
生徒「あたしもまさかとは思ったんだけど、その時先生に話し掛けたのよ。そしたら『佐東さんと話しをしてきた』って言うから…」
鶫は話しを止めるように生徒の胸倉を掴んだ。
鶫「お前先生がやったとでも思ってるんだろ!!生徒はな、生徒は…!!」
桜子「鶫辞めて!!!」
桜子は鶫と生徒の間に入って力ずくで二人を引き離した。
大広間は沈黙になった。
生徒「私が知らせたかったのは麻紀先生が佐東さんに最後に会った人物であるって事よ!!」
生徒は桜子と鶫を軽蔑を感じる視線で他の生徒と部屋に戻って行った。
大広間に残った生徒はその話しを聞いて黙ってはいない。
声では聞こえなかったが口の動きで『麻紀先生が』と言う話しだとすぐにわかった。
みんなも部屋に戻って行った。
最後に残されたのは桜子と鶫と香織。
香織「鶫どうしちゃったのよ…」
鶫「……」
桜子「…私達も部屋に戻ろう。」
鶫「決めた。」
桜子・香織「…」
また鶫の好奇心の予感がした。
鶫「証拠を掴んでやる…もし、また生徒が消えるなら今夜が最適な時間帯…みんなが寝静まった夜、先生の部屋まで確認しに行く。桜子達が来なくてもあたし一人でも行ってやる。」
鶫の目は好奇心とは違って真剣に決めたんだと一目でわかった。
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