疑惑。

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深夜。 宿泊の初日のなだけあって最初はみんな中々寝付けなかった。 次第にみんなの部屋は暗くなりみんなの声も聞こえなくなった。 桜子と鶫はというと…  鶫の声「…テ…」 桜子は鶫の声で目が覚める。  鶫「桜子起きて!」 鶫は苦笑い。 やはり一人で調べるには勇気がいるそうだ。 ため息をつく桜子。  桜子「ハァ…。」 音を立てないようにゆーっくり戸を開ける。 月明かりで廊下は予想よりも明るかったが逆に恐怖感が生まれた。 右、左、っと誰もいないのを確認して廊下へと足を出した。    「ギシッッ」 廊下の木材はかなり痛んでいたようだ。 息を殺して木材の鳴き声をグッっと聞きこらえた。 長い長い廊下。 麻紀先生の部屋は香織の隣、大広間から山の館に向かって二番目の部屋だ。 目標に向かう為に二人は廊下の曲がり角を左に曲がる。すると… 向かい側から誰かが向かって来る影が見えた。 二人は足が震えて動けずに、影の人物を見て安心できるのを待ち構えた。 こちらに気付いたのか影が止まって動かない。  桜子「ど、どうする?…」  鶫「このまま止まっていても拉致明かない。行くよ。」  桜子「えーッッ」 鶫は走った。桜子も走った。 怖くて仕方がないけど、正体不明の相手との睨めっこはもっと嫌だ。 走る、走る、走る。 二人は目を開けていない事に気が付いて走りながら目を開けた!!  桜子「香織!?」 桜子と鶫は足を止める事を忘れて大広間の前で重いっきりぶつかった。  桜子「イッターイ…」  鶫「香織?あんたこんな所で何してるの?」  香織「イッターイ…何してるはこっちのセリフよ!夜に調べるって言い出したのは鶫のくせにいきなり走ってくるし…こっちは誰が走ってくるかわからないし怖かったんだから!!」 香織は無性に腹が立っていた。  鶫「お互い様ダヨ…」  桜子「静かに!!みんなが起きちゃう!それよりも先生は!?」 冷静さを取り戻して三人は麻紀先生の部屋の前に立ち止まる。
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