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あぁ…
俺も、こうなるのかもしれないんだな...
と思うとおかしくなって来る。
しかも、父上は安堵したような顔をしているし…
こんな時に...
相入れない関係であっても、“恋愛”つまり…
お互いを愛おしく想うキモチは……
何も関係ないのだと分かる。
「では、失礼致します。」
父上が、座っていた椅子から立ち上がると…
母上もそれに倣って立ち上がりお辞儀をした。
「そこまで見送ろう。」
と、瑛が言い…
扉を開け…
着実に、俺の世界に近付いて行った…――
この時、俺は……
翠爛と離れるという悲しさよりも……
ただ、帰る途中に翠爛に会わない事だけを祈っていた...
理由は簡単だ…
抱きしめて…
帰りたくなくなるから...
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