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「……姫様…」
後方から聞こえるのは、瀧の声。
優しいようで冷たくて…
愛おしいクランの声ではない。
軽く失望しながらも…
「……何?」
と落ち着いた様に演技して問い掛ける…――
「探しましょう。」
瀧から言われると…
何故か、脱力感に襲われた。
よく考えれば、
居なくなったと言う事は、もう逢いたくはないのだからなのかもしれないのだ。
そんな状況で会いに行っても無駄だし…
クランにとっても迷惑なんじゃないだろうか??
クランの牙が触れた首筋が…
トクンッ…
と高鳴った…―――
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