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変わらない回廊…
変わらない部屋の配置…
変わらない使用人達。
変わらない信頼…
変わったのは…
俺のニンゲンに対するキモチと……
愛した人が居るという事だけだ...
「クランお兄様ッ♪!」
ギュゥッ…
考え事をしていると、
後ろから少女が抱き着いて来る。
この声は……
「……アム、疲れているんだ。離せ。」
漆黒の髪の毛…
丸くクリクリとした冷めた瞳
幼い顔。
紛れも無く、
俺の4人目の妹だ。
「メムがしたらそんな事冷たい事おっしゃらない癖に~~;」
頬を“ぷくっ”と膨らませて、拗ねるアム。
何故か、俺に1番懐いている。
メムと言うのは、アムの双子の妹。
容姿は瓜二つ。
しかし、身体が少し弱い。
「……メムはそんな事しないだろう?」
「ぁッ…お兄様?お帰りなさい♪」
俺の話を軽くスルーして言うアム。
そんな事をイチイチ言っていてもキリがない為に…
「ただいま。」
と返しておいて…
「じゃぁ、寝るから部屋に帰りなさい。」
廊下のど真ん中で言う。
「やぁだ♪」
その言葉を聞いた瞬間に、アムを無視して自室へ向かう。
今は、付き合う気分ではないのだ。
しかし、
アムはトコトコと着いてくる。
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