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シーン...
静まり返る回廊で、
1番始めに沈黙を破ったのはお客様の若い女の人だった。
「……行きましょう?あなた。」
柔らかい声が、
回廊に響く…――
「あぁ。そうだな…瑛、彼女は…もしかしなくてもかの月姫様で?」
男の人が、
御祖父様に問い掛ける。
いきなり、自分の事が聞かれたので……
正直驚く。
「…あぁ。つい、2,3時間前までは美しい月のように光り輝いていたが……
今は、大きい隕石がぶつかって今までにない位の大きいクレーターが出来たみたいだがな。
そなた達の“しきたり”のせいで。」
先程まで、
笑っていた御祖父様が、
顔を険しくさせて……
お客様を睨んだ。
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