8398人が本棚に入れています
本棚に追加
/625ページ
“しきたり”
とか…
“お客様のせい”
とか、よく分からなくて……
ｼﾞｨｯ…
と見つめていると…
若い女性がこちらに向かって来てから…
座っている私に微笑みかけて…
手を差し延べてくれた。
少し躊躇した後で、
柔らかくて良い匂いを放つ手を取ると…
「ごめんなさいね…...ｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱの一方的なしきたりでこんな事に毎回なってしまって…」
悲しそうに微笑んだ後に…
「ｸﾗﾝを嫌いにならないであげてね?…それと、幸せになって……」
どこか懇願めいた口調でいう女性。
ｸﾗﾝの知り合いの女性だろうな。
ｯて思う。
名前を知っていたし…
ｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱの事を知っているから。
「ｸﾗﾝ…と、どのようなご関係なんですか??」
失礼を承知で尋ねると…
「母親よ。」
と、にこやかに言われた。
最初のコメントを投稿しよう！