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「それはいいんだけど女子一人ってのはやっぱり無理があるっしょ?ってことで・・・」
「すいませーん、遅刻しました。ってあれ?」
「遅刻の罰も兼ねて王子様?買出し役決定ね」
遅刻してきた葵をあっさりと買出しに任命した李瑚の行動に皆半ば強引に納得するしかなかった。
私も始めはあまり深く考えてなどなく
「ゆりあ~で明日のデート何着ていく?」
『はっ?デート?』
「デートでしょ?男女二人っきりな訳だし」
李瑚のその言葉で事の重大さに改めて気付く私は心底愚かだと気付いた。
『なぜ、私が彼と二人で』
「それは買出し役だからでしょ?諦めなさい」
もうその時には逃げようなど無かった。
覚悟する以外私に選択権は与えられていなかった。
その瞬間から私の頭の中は今日のことでいっぱいいっぱいとなり、その後のことなどさっぱり抜け落ちてしまっていた。
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