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「でも、遅刻して得したかも?ゆりあの私服見れた訳だし
可愛いなぁと思ってたんだよな」
私はその葵の言葉に動揺してしまい手に持っていた、グラスを落としそうになり慌てて掴むとテーブルに置く。
『なっ何を急に突然、馬鹿なこと言わないで』
「馬鹿なことじゃなく俺の本音」
その様子を楽しそうに私をまっすぐ見据えた葵の視線に私はたじろいでしまった。
反論できない私に更に追い討ちをかけようとした葵の目の前に注文した料理が救いとばかりに並べられた。
『食べましょう』
「『いただきます』」
正直なところ私は料理の味なんて感じる余裕などなくただただ箸を進め料理を片付ける。
会計になり立ち上がりレジ前で財布を手にすると葵が先に払ってしまう。
『私の分・・』
「いいからいいから、行くよ」
そう言って葵は先に店内を出て行き私は後を追うように店内を出て行くと入り口のところで足を止める。
「フォーチュンクッキーいかがですか?」
『えっ、あ・・はい頂きます』
店の入り口で店員の女性が籠いっぱいに入れたクッキーの中から私は一つ手にする。
「貴方もいかがですか?」
「おっサンキュ」
葵もそれを受け取り私達は女性に礼を告げ、店内と外の境のドアを開き店を後にした。
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