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時間というものがこんなにも早いと知ったのは初めてのことだった。
誰かと過ごす時間をこんなに
長く長く続けと願ったのも初めてのこと。
葵と居ると私は初めてばかり増える、でもそれが苦と感じている訳じゃないでもきっと葵にとってはこの時間さえ単なるクラスメイトとの時間に過ぎないそんなことを考えるとまた無性に腹が立つ。
だから私は彼が嫌い
「ん・・あっという間って感じ」
時刻は既に午後五時過ぎ、オレンジの空は陰りを見せ始めている。
私は葵と並びバス停へと歩いていた。
すると微かにすすり泣く声が
聞こえ私は足を止める、見ると一人の少女が公園内で立ち尽くしていた。
私はその少女が気になり近づく、少女は私と葵の影に気付き涙に潤ませた瞳を向ける。
私は少女の目線にあわせるように身を屈めると少女は涙を拭き小さな右手を伸ばし高い木を指差す。
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