消えない熱。

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時に人は自分が思い出したく無い事は記憶の奥に持って行く。 その理論を用いるなら私は葵のことなど遠く遠い場所へと消し去りたいのだろう。 あんなに傷つけられたにも関わらず耳に入ってくる。 葵の名前には敏感で気がつけば視線を向けていたりする。 こんなどうしようもない私はらしくなくて余計に苛々するばかり認めてしまえば楽なのだろうかとも考えるもそれは出来ない。 「ニュース、ニュース。葵 が風邪で休みだって、倉島担が言ってから間違いないって」 「え~まじ。加奈つまんない」 「お見舞い行っちゃう?」 そんな女子生徒の話に一気に教室中がざわめく、ざわめいたのは私の心も同じだった。 それでも平静を装うように無関心を貫いていると足音が近づき私の机の前で止まると見知る李瑚の顔が眼下に覗く。
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