消えない熱。

4/6

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
『渡すも何も私は・・別に。 ありがとう、今度お礼はするわ』 これ以上否定するのも不自然を思い私はもう一度伊織に礼を告げ、生徒会室を出るとそのまま教室に戻り荷物を手に学校を後にし、倉島担任から李瑚が聞き出した葵の住所が書かれたメモを元に自宅があるマンションへと辿りつく。 『ここで良いわよね?別にただの様子見』 そう言い聞かせないと騒ぐ心を静める術が見付からないかのように私は独り言を呟き途中で購入した果物を手に葵のマンションを尋ねるとぎこちない指先で葵の部屋のインターホンを鳴らす。 暫く待つとガッチャっと音がし重たい扉が開くと40代位の 女性が顔を覗かせる。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加