消えない熱。

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『はじめまして、私は葵君と同じ学校の・・』 「あら~可愛いお嬢さん。もしかして葵の彼女?葵の母です~。 どうぞどうぞ上がって」 否定する隙さえ与えない葵の母親の饒舌ぶりにたじろぎながら、私は言われるままに玄関先から靴を脱ぎ揃え上がり二階の葵の部屋の前まで案内される。 母親が呼びかけてみるも返答は無い。 「やだ、寝てるのかしら?せっかくゆりあちゃんがいらしたのに」 『あの、寝ているのなら帰ります。 お見舞いに来ただけですから』 「何言ってるの、さぁ気にせず入っちゃって、お茶持って来るわね」 帰ろうとする私の背中をぐいぐい押し葵の部屋へと押し込んだ。 母親は楽しそうに笑いながら一階に下りていく、室内は意外にきっちり片付いていて人型に膨らむベッドの脇に近づくと葵は寝息を立て眠っている。
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